
ある企業の営業部から、既存の予約管理WebシステムをMicrosoft Accessで作り変えたいとのご相談がありました。ITの流れから見れば逆のように思えますが、ユーザー視点で見ると理解できるケースです。
Webシステムではユーザーインターフェイス(UI)の構築に手間がかかり、jQueryなどの技術を用いてもAccessに比べれば時間がかかります。Accessは開発効率が高く、画面の使いやすさや帳票印刷、機能追加・修正がスピーディにできます。
ご相談者の業務は主に電話で予約を受け付け、顧客からの問い合わせに素早く対応する必要があります。Webシステムでは細かな要望のブラッシュアップに時間やコストがかかりました。
そのため、開発効率の良いAccessでのシステム作成が検討されました。
Accessは古くからファイルの脆弱性や複数ユーザーでの共有利用が課題でしたが、OSの安定化やLAN速度の向上、Access自体の改良により高い安定性を持つようになりました。素人であるユーザー自身の開発したシステムでも、簡易な規模であればそのまま長く運用されている例も多く見られます。
また、Accessシステムの実行には無償のランタイム版があり、作成されたシステムの実行なら別途費用をかけずに利用可能です。またインターネットVPNの実行速度の向上や、データのみをクラウドのデータベース移管により遠隔地との共有も実用的になっています。
遠い過去には市販の顧客管理や販売管理ソフトが操作的、機能的に自社に合わないということで、Accessでのカスタム構築依頼が多くありました。その面では、現在のクラウドシステム・SaaSは、昔の市販ソフトと比較すればカスタマイズもだいぶできるようになってきていますが、それでも本当に会社の業務にしっかり合った機能実現は難しいところがあります。
AIの進展により、各企業に適したWebシステムの構築ハードルは下がりました。これにより、オリジナルかつ効果的なシステムを構築した企業が競争優位となり、多業態向けの汎用SaaSは最適解とはならない可能性もあります。
2026年10月現在、AIはテキストベースのソースコードを直接修正や機能追加できますが、Accessのデータベース自体への直接修正はできません。そのため、AIを活用したシステム開発ではWebシステムの開発効率がAccessより高まっています。ただし、AIによる開発は開発における制御やセキュリティ面の慎重な管理が必要です。
社内管理の機能だけで十分な場合はAccessでの構築も選択肢になりますが、将来的に外部とのデータコミュニケーションが重要になるようなシステムであればAI連携可能なWebシステムが適しています。さらにはシステムの入り口が一つのAIポータルのようなものに変化する可能性もあります。
弊社ではAIに親和性の高いPythonを中心に、Web開発フレームワークであるDjangoを用いての開発・提供の準備を進めています。
A: Accessは迅速な開発・修正が可能ですが、AIを最初から活用できるWebシステム開発はかつてなく開発効率が向上しています。そのためAccess開発よりWebシステムのほうが開発しやすくなっています。
A: OSの進化やネットワーク環境の改善で安定して運用可能ですが、データの規模によりデータ部分を、SQL-Server、PostgreSQLなどのデータベース管理システムに移管するほうが安心です。
A: 現状(2026年10月時点)ではAccessの直接修正はできません。AIにはテキストベースでコピーペーストしていく開発になります。