Access製造・受注・納品請求管理システムの開発トラブルと後任サポート事例
相談請負概要
本記事は、製造・受注・納品請求管理を行うためのAccessシステム外注の途中段階で発生した開発トラブルで、その後任として解析・修正事例を紹介します。ふたつの問題点から、開発時の業務知識不足が及ぼす影響についても考察します。
【ご相談時のAccess開発状況】
- 既存の稼働システムではなく途中経過の状態のAccessシステムだった
- 仕様ヒアリング担当者と実際の開発担当が異なり、言った言わないの行き違いで開発が1年滞留
- 開発費は全額前払いでトラブルが長引いた
- 注釈付き画面コピーを送付したら「追加料金が発生します」とだけ筆字で返答があった
- ご相談者は年配の社長で進行に苦労された様子で弊社にご相談
【Accessシステムの解析結果】
- 顧客コードが二重登録可能でデータの整合性に問題があった
- 定期注文の同じ年度内複数登録が可能で致命的なエラー
- 定期注文の納品書一括自動生成機能が欠落、約300社分の月次処理に非対応
- 非定期注文は入力・出力できたが、請求書が定期・非定期で分割されてしまう設計上の誤り
- 販売管理・業務知識が開発側に十分に無かったと推測される
【後任としてのサポート内容】
- 定期注文の二重登録防止およびデータ整合性を回復
- 月次で約300社分の定期注文納品書を自動一括生成する新機能開発
- 追加注文用納品書管理機能を新規に作成
- 顧客情報検索と入力の改善で処理速度と正確性向上
- 請求書締め処理機能の作成
- 製造年間計画表と月次売上レポートの作成
- 既存機能の多くを作り直し、新規作成機能を含めると全体の半分以上を手がける大規模な修正
【改善されたシステム機能と効果】
- 適正な定期注文管理体制の確立
- 顧客情報のデータ整合性保持と検索及び参照スピードの向上
- 定期・非定期注文の納品書と請求書の簡単かつ迅速な発行
- 追加注文時の顧客別自動価格参照機能
- 年間製造数に基づいた計画的かつ無駄のない製造管理
- 売上レポートを用いた経営資料の充実
【トラブルの背景と教訓】
- 仕様の言った言わないの問題以前に、販売管理など業務知識が不足していたことが主原因と推測
- 仕様ヒアリング担当と開発担当の分離により情報共有が不十分
- 業務に精通した技術者や担当者が関わっていれば、必要な処理や運用面の提案も可能
- 開発会社が悪徳企業とは限らず、規模の大きい有名企業でもこの種のトラブルは発生している
- 契約条項でリスク回避していても追加料金が要求され進行が止まる事例がある
- 運用者のスキルや実態も考慮した現実的なシステム設計が重要
ご相談内容まとめ
Accessに限らず業務システム開発においては、単なるプログラミング技術だけでなく業務知識や運用環境への理解が不可欠です。途中段階での仕様不一致や機能不足は開発の停滞や無駄なコスト増につながります。今回の事例のように実務知識ある後任として、運用に適したシステムに改善できることもあります。システム発注時は、担当者の実務理解度や説明力、仕様確認、内容のすり合わせが重要なポイントとなります。